昨今の社会情勢による患者ニーズの変化や改正薬機法などから、オンライン服薬指導の導入を検討中の方へ。
この記事では、ビデオ通話プラットフォームのSkyWayが、オンライン服薬指導についてや要件、比較表も用いて、おすすめのオンライン服薬指導システムをご紹介!その他、0410対応と23年8月以降の改正薬機法との違いやメリットなど徹底解説します。
※料金等の情報は記事更新日時点のものとなります。最新情報は各公式サイトをご参照ください。
- オンライン服薬指導とは?
- オンライン服薬指導の要件
- オンライン服薬指導は既存システムか自社開発がおすすめ
- オンライン服薬指導システムの比較ポイント
- オンライン服薬指導システムの比較表
- 独自のオンライン服薬指導システムを導入するには
- オンライン服薬指導のメリット(患者)
- オンライン服薬指導のメリット(薬局)
- まとめ
代表的なビデオ通話プラットフォームとして、NTTコミュニケーションズが開発、運営する「SkyWay」があります。 「SkyWay」とは、ビデオ・音声通話をアプリケーションに簡単に実装できる国産の開発ツールです。⇒概要資料をダウンロードする(無料)
オンライン服薬指導とは?
オンライン服薬指導は、インターネットを通じて薬剤師から薬の説明や服用方法の指導を受けるサービスです。この方式は、患者がどこにいても、薬剤師と直接コミュニケーションを取りながら、個別の薬に関する疑問を解消できる点が大きなメリットです。特に、外出が難しい方や忙しい方にとって、時間と場所の制約を受けずに必要な服薬指導を受けられるため、医療アクセスの向上に貢献しています。また、感染症のリスクを避けつつ、プライバシーを守りながら服薬指導を受けることが可能です。オンライン服薬指導は、現代の医療サービスにおいて重要な役割を果たしており、今後さらにその利用が拡大していくことが予想されます。
オンライン服薬指導の要件
厚生労働省によるオンライン服薬指導の要件については、以下の通りです。
オンライン服薬指導の実施要領(令和4年9月30日)
- オンライン服薬指導の概要
- オンライン服薬指導は、映像と音声の送受信を通じて行われるもので、薬剤師が患者の状態を相互に認識しながら通話する方法 です。
- 患者の求めに応じて薬剤師の判断と責任に基づき実施されます。
- 実施要件
- 薬剤師の判断 : 各薬局の薬剤師の判断と責任に基づき行う。服薬指導が初めての患者や処方内容が変更された患者に対しては、服薬状況を把握した上で実施する。
- 患者への説明 : オンライン服薬指導を行う際には、情報通信機器やアプリケーションの使用、プライバシー保護に関する説明が必要。
- 服薬指導の実施時の留意事項
- 情報提供 : 薬剤情報提供文書を事前に送付することや、画面に表示しながら説明を行うこと。
- 対面指導の代替 : 対面と同様に服薬状況の把握や副作用の確認を行うこと。
- 医師へのフィードバック : 得られた情報を処方した医師にフィードバックすること。
- 体制と通信環境
- 薬歴管理 : オンライン服薬指導は、かかりつけ薬剤師・薬局によって行われることが望ましい。
- セキュリティ : 情報セキュリティとプライバシー保護のために必要な通信環境を確保すること。
- 薬剤の交付
- 薬剤の配送 : オンライン服薬指導後、品質を確保した状態で速やかに患者に薬剤を届けること。配送方法や受領確認を徹底する。
- その他の留意事項
- 場所の配慮 : プライバシーが保たれる場所で服薬指導を行うこと。
- 本人確認 : 身分確認書類を用いて薬剤師と患者双方の本人確認を行うこと。
以上が、オンライン服薬指導の実施要領の主要ポイントです。詳細な実施要領については、厚生労働省のウェブサイトで公開されている以下を参照してください。
※詳細は「オンライン服薬指導の実施要領について|厚生労働省」「オンライン服薬指導の実施要領について|公益社団法人 日本薬剤師会」「オンライン服薬指導について|厚生労働省」をご参考ください。
0410対応と23年8月以降の改正薬機法との違い
オンライン服薬指導で電話のみはNG
2023年7月末までは、音声のみの服薬指導が可能でしたが、2023年8月以降の改正薬機法では、オンライン服薬指導を行う際には映像と音声による対応が必須となりました。
これは新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、一時的に設けられた特例措置(通称0410対応)で、主に電話による音声のみの服薬指導が可能でした。2023年8月以降の改正薬機法では、オンライン服薬指導を行う際には映像と音声による対応が必須となり、より質の高い服薬指導が求められるようになりました。
この変更が、0410対応と2023年8月以降の改正薬機法の大きな違いであり、患者と薬剤師のコミュニケーションが向上し、より安全で効果的な薬の使用が促進されることが期待されます。
※詳細は、厚生労働省が発表している「令和4年度調剤報酬改定の概要(調剤)」「新型コロナウイルス感染症への対応について」をご参照ください。
オンライン服薬指導は既存システムか自社開発がおすすめ
オンライン服薬指導を導入する際、既存のシステムを利用するか、自社で開発するかは重要な選択肢です。既存システムの利用は、初期投資や開発期間を大幅に削減できるメリットがあり、迅速にサービスを開始できます。一方、自社開発を選択すると、薬局独自のニーズに合わせたカスタマイズが可能になり、患者に提供するサービスの質をさらに高めることができます。しかし、開発コストや時間、維持管理の負担が増大する点を考慮する必要があります。したがって、薬局の規模、予算、目指すサービスの質に応じて、最適な選択をすることが推奨されます。
オンライン服薬指導システムの比較ポイント
オンライン服薬指導システムを選択する際の比較ポイントは、主に以下の要素に注目することが重要です。
- ユーザビリティ
- セキュリティ
- 機能性
- 導入費用
- サポート体制
まず、ユーザビリティが挙げられます。患者と薬剤師の双方が使いやすいインターフェースかどうかが重要です。次に、セキュリティの強度です。患者の個人情報保護は最優先事項であり、データの暗号化やアクセス管理がしっかりしているかを確認する必要があります。また、機能性にも注目し、改正薬機法対応するためのビデオ通話機能や品質、記録管理、予約システムの有無など、必要な機能が備わっているかを検討します。さらに、導入費用も重要な比較ポイントであり、導入・運用コストと提供される機能やサービスのバランスを評価します。最後に、サポート体制の充実度も確認し、問題発生時の対応やアップデートの頻度などを考慮することが推奨されます。
これらのポイントを基に、薬局のニーズに最も合致するオンライン服薬指導システムを選択することが、重要となります。
オンライン服薬指導システムの比較表
実際にどのオンライン服薬指導システムがおすすめなのか、システムの一覧と比較ポイントを表にまとめました。
サービス名 | 導入店舗数 | 導入費用(税込) | 主な機能 | 運営会社 | URL |
---|---|---|---|---|---|
Pharms(ファームス) | 約12,000 | 初期費用:要問合せ 月額費用: ライトプラン 0円 ベーシックプラン 10,000円/店舗 サービス利用料:決済額の3.45% |
・当日配達 ・服薬フォローアップ ・お薬手帳 ・店舗チェックイン |
株式会社メドレー | 公式サイトはこちら |
SOKUYAKU For ファーマシー版 | 約9,000 | 初期費用:0円 システム利用料:0円 ※保険外診療は330円/件 |
・薬局管理 ・服薬指導予約管理 ・薬剤師管理 ・データ集計 ・決済管理 ・配送管理 ・お薬手帳 |
ジェイフロンティア株式会社 | 公式サイトはこちら |
クロンお薬サポート | 約6,000 | 要問合せ | ・フォローアップ ・処方箋ネット受付 ・クロンスマートパス |
株式会社MICIN | 公式サイトはこちら |
くすりの窓口 オンライン服薬指導 |
約20,000 | 要問合せ | ・万全のセキュリティ ・クレジットカード決裁対応 ・配送機能 |
株式会社くすりの窓口 | 公式サイトはこちら |
つながる薬局 | - | 要問合せ | ・処方箋送信受付 ・決裁 ・服薬フォロー ・LINEでの健康・お薬相談 ・お薬手帳 ・問診票 ・介護施設連携 |
株式会社ファーマシフト | 公式サイトはこちら |
NiCOMS(ニコムス) | 約700 | 要問合せ | ・クレジットカード決裁対応 ・配送機能 |
日本調剤株式会社 | 公式サイトはこちら |
KAITOS(カイトス) | - | 要問合せ | ・病院なびと直接連携 ・専用コールセンター常設 ・zoomでのオンライン服薬指導 ・クレジットカード決裁対応 ・処方箋送信受付 |
東邦薬品株式会社 | 公式サイトはこちら |
※料金等の情報は記事更新日時点のものとなります。最新情報は各公式サイトをご参照ください。
上記の比較表を参考に、自身の要件に合ったオンライン服薬指導システムを効率的に選択し、導入を検討してみてください。
また、オンライン診療システムの比較は以下の記事にて徹底解説しているので、ご参考ください。
独自のオンライン服薬指導システムを導入するには
既存のオンライン服薬指導システムを利用せず、自社サイトやアプリに自社のニーズに合致したオンライン服薬指導システムを独自に開発、導入したい場合におすすめなのが、「SkyWay」というビデオ通話機能を簡単に導入できる開発ツールです。
上記で紹介した、Pharms(ファームス)は「SkyWay」が活用されています。
「SkyWay」とは、ビデオ・音声通話をアプリケーションに簡単に実装できる国産SDKです。
大きな特徴としては、以下が挙げられます。
- スピーディーな開発ができる:
開発資料が豊富かつ日本語でわかりやすい、国内エンジニアがサポートしてくれる - 信頼性・安全性が高い:
NTTコミュニケーションズが開発、運営する国産SDK。サービス歴は10年以上で、累計導入サービス数も21,000件以上。オンライン診療・オンライン服薬指導の導入実績多数あり! - 無料で開発スタート:
開発検証用として、Freeプランあり。テスト検証期間中は無料で利用可能。商用サービス提供後も基本利用料11万 + 従量課金制で安心。
WebRTCのSDKとして提供されているものは、海外製が多いため、開発ドキュメントも英語か和訳のもので開発しにくい傾向にあります。 「SkyWay」であれば、NTTグループが開発、運営する安心の国産SDKかつ、国内エンジニアがサポートしてくれるため、開発運用工数も大幅に削減でき、開発のしやすさからもおすすめです。
テスト検証用は無料のため、ぜひアカウント登録をしてみください。
オンライン服薬指導のメリット(患者)
オンライン服薬指導の患者側のメリットには、以下のような点が挙げられます。
- 遠隔地でも服薬指導を受けられる
- 都合の良い時間に服薬指導を受けられる
- 個人的な空間で、安心して相談できる
- 二次感染の防止
これらのメリットにより、患者はより便利で安全な形で服薬指導サービスを受けることができるようになります。オンライン服薬指導は、指導の質を維持しつつ、患者の利便性と安全性を高める重要な手段となっています。
一つずつ詳細を解説していきます。
遠隔地でも服薬指導を受けられる
オンライン服薬指導の大きなメリットの一つは、遠隔地にいる患者でも薬剤師から直接服薬指導を受けられる点です。地理的な制約を受けずに、必要な薬の説明や服用方法、注意点などを詳しく聞くことができます。これにより、患者は自宅や職場など、どこからでも専門家のアドバイスを受けることが可能になり、治療の質を向上させることができます。特に、医療機関へのアクセスが難しい地域に住む人々や、移動に制約がある人々にとって、このサービスは非常に有益です。
都合の良い時間に服薬指導を受けられる
オンライン服薬指導のメリットの二つ目は、患者が自分の都合の良い時間に服薬指導を受けられることがあげられます。従来の対面式の服薬指導では、薬局の営業時間内に足を運ぶ必要がありましたが、オンライン服薬指導を利用することで、日中忙しい人や夜間しか時間が取れない人も、自分のライフスタイルに合わせて服薬指導を受けることが可能になります。これにより、患者は薬の正しい使い方や注意点をしっかりと理解し、治療の効果を最大限に引き出すことができるようになります。
個人的な空間で、安心して相談できる
オンライン服薬指導のメリット三つ目は、患者が自分の個人的な空間で、安心して薬剤師に相談できる点です。この方式では、患者は自宅やプライベートな場所から、直接薬剤師とコミュニケーションを取ることができます。これにより、他人の目を気にすることなく、個人的な健康状態や薬に関する疑問を開放的に話すことが可能になります。また、プライバシーが守られるため、患者はよりリラックスした状態で服薬指導を受けることができ、薬の効果的な使用につながります。
二次感染の防止
オンライン服薬指導は、二次感染の防止にも繋がります。特に流行病や感染症が広がっている時期において、薬局や医療機関を訪れることなく服薬指導を受けられることは、患者自身だけでなく、コミュニティ全体の健康を守る上で大きな意味を持ちます。オンラインでの指導により、患者は自宅に留まりながら必要な医薬情報を得ることができ、外出による感染リスクを大幅に減らすことが可能になります。
オンライン服薬指導のメリット(薬局)
オンライン服薬指導の薬局側のメリットには、以下のような点が挙げられます。
- 薬剤師の負担軽減
- 受診のしやすさによる患者集客の強化
- 患者の診療の継続率が向上
これらのメリットにより、患者満足度の向上とともに、薬局の運営効率も改善されます。オンライン服薬指導は感染症リスクの低減にも寄与し、医療機関としての安全性と信頼性を高めることができます。このように、オンライン服薬指導は薬局にとって多面的なメリットをもたらします。
一つずつ詳細を解説していきます。
薬剤師の負担軽減
オンライン服薬指導は薬局側にとっても大きなメリットがあり、特に薬剤師の負担軽減が挙げられます。従来の対面式服薬指導では、患者一人ひとりに対して時間をかけて説明を行う必要がありましたが、オンライン服薬指導を導入することで、薬剤師は複数の患者に対して効率的に指導を行うことが可能になります。これにより、薬剤師の時間的な余裕が生まれ、より質の高いサービス提供や他の業務への注力が可能になります。
受診のしやすさによる患者集客の強化
オンライン服薬指導を提供することは、薬局にとって受診のしやすさを通じて患者集客を強化する大きなメリットがあります。オンラインサービスにより、地理的な制約や時間的な制約を感じることなく、より多くの患者が薬局のサービスを利用できるようになります。特に遠隔地に住む患者や、日中忙しくて薬局に足を運べない患者も、オンラインで気軽に服薬指導を受けられるため、薬局を選ぶ際の大きな決め手となり得ます。
患者の診療の継続率が向上
オンライン服薬指導を実施する薬局にとって、患者の診療継続率の向上は大きなメリットです。オンラインで気軽に薬剤師からの指導を受けられることで、患者は治療プロセスにおいてより一貫性を持って参加しやすくなります。特に、忙しい日々の中で薬局への訪問が難しい患者や、遠隔地に住む患者でも、定期的な服薬指導を受けることが可能になるため、治療の継続性が保たれ、結果として患者の健康状態の改善に繋がります。
まとめ
オンライン服薬指導は、インターネットを介して薬剤師から直接薬の説明や服用方法の指導を受けることができるサービスです。地理的な制約や時間の制約を受けずに、個別の薬に関する疑問を解消できる点が大きなメリットであり、特に外出が難しい方や忙しい方にとって、医療アクセスの向上に貢献しています。改正薬機法による映像と音声による指導の必須化も考慮し、自身の要件に合ったオンライン服薬指導システムを検討してみてください。また、自社のニーズに合致したオンライン服薬指導システムを独自に開発、導入したい場合は、SkyWayがおすすめです。