コロナ禍を機に、オンラインでの授業を取り入れる学習塾やスクールなどが増えました。また、YouTubeやTikTokといったプラットフォームを利用して、気軽にスキルや知識を学ぶ人が増え、「スマホで動画を使った学習」が日常的なものになっています。この流れに伴い、オンラインスクールビジネスを展開する企業も増加しています。
「オンラインスクールを始めたいが、どう進めればいいかわからない…」という方に向けて、本記事では、ビデオ通話プラットフォームの立場からSkyWayのブログ編集部が、オンラインスクールの作成手順を10ステップで具体的に解説。さらにおすすめのプラットフォームも詳しくご紹介します。
- オンラインスクールとは
- オンラインスクールの作り方 10ステップ
- オンラインスクールのおすすめプラットフォーム(Web会議システム)
- オンラインスクールのおすすめプラットフォーム(動画配信システム)
- 自社サイトやアプリ内にオンライン講座を作るには
- オンラインスクールの3つのメリット
- まとめ
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オンラインスクールとは
オンラインスクールは、インターネットを通じて知識やスキルを提供する教育の形式です。自宅や世界中のどこにいても、パソコンやスマホを使って受講できるのが特徴です。リアルタイムのライブ授業やオンデマンド型の動画講座、PDF教材など、学習形態は多様で、学習者の都合に合わせて進められる利便性が魅力です。また、オンライン環境であるため、物理的な制約が少なく、受講生を無限に集めることができるのも大きな強みです。
オンラインスクールの作り方 10ステップ
オンラインスクールを成功させるには、計画的なステップが重要です。オンラインスクールの作成手順を以下にまとめました。10のステップにわけ、分かりやすくご紹介します。
- テーマとターゲットを決める
- 全体像を考え、計画を立てる
- 配信形式を決める
- 配信方法・プラットフォームを選定する
4.1.オンラインスクールサイトを構築する - コース・カリキュラムを考える
- 教材・講座・講師などを準備する
- サポート体制を整える
- 利用規約を策定する
- オンラインスクールを公開する
- 集客する
各ステップの詳細を具体的に解説していきます。
1.テーマとターゲットを決める
オンラインスクールを成功させるには、最初に「何を教えるのか」というテーマと「誰に教えるのか」というターゲットを明確にすることが重要です。
テーマは自分やサービスの得意分野や専門知識に基づき、できるだけ具体的に設定しましょう。次に、そのテーマに興味を持つターゲット層を絞り込みます。年齢、職業、興味などを考慮し、受講者像(ペルソナ)を設定することで、効果的な集客や講座設計が可能 になります。
2.全体像を考え、計画を立てる
次に、全体像をしっかりと描き、具体的な計画を立てることが重要です。まず、スクールの目的を明確にし、それに基づいたカリキュラム、教材、集客方法の計画を立てます。
以降の8ステップについて、ざっくりしたスケジュールを引き、何を実施する必要があるのか、具体化していきましょう。オンラインスクールサイトを構築する場合は、会員がオンラインスクールを利用する流れの全体像を大まかに決めておくことが大切です。
3.配信形式を決める
講座の配信形式には、大きく2つのタイプがあります。
- ライブ配信
- オンデマンド配信
それぞれの特徴を説明し、どのような講座内容に適しているかを解説します。
ライブ配信
ライブ配信は、リアルタイムで受講者とやり取りしながら進行する形式です。質疑応答やディスカッションがその場でできるため、インタラクティブな要素が重要な講座や実技を伴う授業に向いています。
例として、語学講座やコーチング、ビジネススキル講座などが適しています。ただし、受講者と講師のスケジュール調整が必要になるため、時間的な制約があります。
オンデマンド配信
オンデマンド配信は、あらかじめ録画された講座を受講者が好きな時間に視聴できる形式です。自分のペースで学びたい人に適しており、何度でも繰り返し視聴できるのが特徴です。標準化された内容のため、資格取得や基礎知識の習得、スキルアップを目指す講座に適しています。忙しい受講者にも柔軟に対応できます。
講座の内容や受講者のニーズに合わせて、最適な配信形式を選ぶことが成功の鍵です。
4.配信方法・プラットフォームを選定する
オンライン講座の配信方法を選ぶ際、最適なプラットフォームの選定は非常に重要です。講座の配信形式や自社の会員サイトの有無、受講者層に適したプラットフォームを選ぶことで、効果的な運営が可能になります。
配信プラットフォームは主に以下の4つのカテゴリに分類されます。
- Web会議システム( + 会員サイト構築 )
- 動画配信システム・プラットフォーム
- 自社サイトに動画配信機能を組み込む( + 会員サイト構築 )
- 動画配信機能と会員サイトを一から構築する
リアルタイムでの双方向コミュニケーションが必要な場合かつ、ZoomやSkypeなどのWeb会議システムが適しています。自由度を重視するなら、動画配信システムや自社サイトへの組み込みが選択肢となり、ブランド強化や独自の運営を目指すなら一から構築することが最適です。
また、自社の会員サイトがない方は、会員サイトを別途構築する必要がありますが、動画配信システム・プラットフォームは、会員機能も含めたサイトの構築が可能のため、おすすめです。
自社の会員サイトが既にある方は、動画配信のみWeb会議システムを利用するか、自社サイトに動画配信機能を組み込む方法が適しています。
以下に各プラットフォームの特徴、メリット、デメリットを比較表でまとめました。
配信プラットフォーム 4つのカテゴリ比較表
配信方法・ プラットフォーム |
代表ツール | 特徴 | おすすめの用途 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|---|
Web会議システム | Zoom、Skypeなど | リアルタイム講座、双方向の対話 | 語学講座やコーチングなど | 受講者とのリアルタイム対話、 簡単に始められる、低コスト |
自由度が低く、仕様変更の 影響を受けやすい |
動画配信システム | OneStream 、UIshare など | 録画した講座を公開 、リアルタイム講座も可能 |
自由視聴が求められる録画講座 | 会員制や支払い〜配信機能まで 必要な機能がすべて有る |
各プラットフォームに 依存するため、自由度が低い、 急な仕様変更、機能追加 によるオプション課金など |
自社サイトに組み込む | SkyWayなど | 独自システム構築 | 長期運営やブランド 展開を狙う法人 |
自由なカスタマイズ、 手数料が不要、自社サイトに 組み込むため、ユーザー体験向上 |
初期は組み込むための 工数がかかる、初期費用が高め |
サイトを一から構築 | - | 完全オリジナル設計 | 特化した講座や 大規模なスクール運営 |
完全な自由度と フルカスタマイズ |
高コスト、リソースが必要、 集客が自力 |
講座の目的や規模、受講者のニーズに合わせて、最適な配信方法やプラットフォームを選びましょう。
後述では、各おすすめの配信プラットフォームをご紹介しています。オンラインスクールのおすすめプラットフォームをご参考ください。
4.1.オンラインスクールサイトを構築する
上述でも説明したように、自社の会員サイトを持っていない場合、オンラインスクールサイトを構築する必要があります。
オンラインスクールサイトを構築する際は、学習者が使いやすく、信頼できる環境を提供することが重要です。まず、WordPressや専門プラットフォームを利用して、コース情報や支払いシステムを整えましょう。サイトのデザインはシンプルで、直感的に操作できることが理想です。また、動画や教材のアップロードに適したサーバーを選び、セキュリティ対策を講じることも大切です。スムーズな学習体験を提供することで、受講生の満足度を向上させます。
5.コース・カリキュラムを考える
オンラインスクールのコースやカリキュラムを設計する際は、受講生が達成すべきゴールから逆算して考えることが大切です。各コースは、学習者が無理なくステップを踏めるよう、段階的かつ具体的な内容に分けましょう。
また、講義形式(ライブやオンデマンドなど)や教材(動画、テキスト、PDFなど)を活用し、学習スタイルに合わせた工夫が必要です。明確なカリキュラムを設定することで、受講生のモチベーションを高め、満足度の高い講座が提供できます。
6.教材・講座・講師などを準備する
オンラインスクールを運営するには、教材や講座の質が非常に重要です。まず、動画、PDF、テキストなど、受講生が理解しやすい形式の教材を準備しましょう。講座内容は、学習者の進度やレベルに応じて、段階的に展開できるよう設計します。
また、講師は専門的な知識だけでなく、オンラインでの教え方や効果的なコミュニケーション方法も備えていることが重要です。しっかりとした準備が、受講者の満足度を高め、スクールの成功につながります。
7.サポート体制を整える
オンラインスクールでは、受講生が安心して学習できるようにサポート体制を整えることが重要です。質問対応や技術的な支援を迅速に行える仕組みを作りましょう。
例えば、メールやチャット、フォーラムを活用して、受講生が疑問を解消しやすい環境を提供します。また、定期的なフォローアップやQ&Aセッションも効果的です。しっかりしたサポートがあると、受講生の学習意欲や満足度が向上し、長期的な信頼を築くことができます。
8.利用規約を策定する
オンラインスクールを運営する際、利用規約の策定は必須です。利用規約は、受講者と運営者間のルールを明確にし、トラブルを未然に防ぐ役割を果たします。特に、支払い方法、返金やキャンセルポリシー、個人情報の扱い、著作権などを詳細に記載しましょう。また、利用規約は法的な観点からも見直し、受講者が安心して学習できる環境を整えることが重要です。これにより、透明で信頼できる運営が可能になります。
9.オンラインスクールを公開する
オンラインスクールを公開する際は、運営体制やコンテンツが整った段階でのタイミングが重要です。公開前に、サイトやプラットフォームの動作確認、決済システムのチェックを行い、受講者がスムーズにアクセスできる状態に整備しましょう。しっかりとした準備が、公開後のスムーズな運営につながります。
10.集客する
オンラインスクールを成功させるには、効果的な集客が不可欠です。まず、ターゲットとなる受講生にリーチするために、SNSやブログ、メルマガなどを活用して情報を発信しましょう。SEO対策を施したウェブサイトや、広告を使って知名度を広げることも有効です。また、無料体験や限定コンテンツを提供し、興味を引くことで初期の集客を強化できます。集客は継続的な活動が必要で、定期的に見直しや改善を行いましょう。
オンラインスクールのおすすめプラットフォーム(Web会議システム)
Web会議システムは、リアルタイムで講義を行い、受講者と直接対話できる形式に最適です。特に、低コストで迅速に開始したい場合や、必要最低限の機能があれば十分な場合におすすめです。
以下は、オンラインスクールで活用できる代表的なWeb会議システムを比較した表です。
Web会議システム | 特徴 | おすすめの用途 | メリット | デメリット | URL |
---|---|---|---|---|---|
Zoom | 最大1000人が参加でき、 機能が豊富 |
大規模講義やインタラクティブな 講座に最適 |
使いやすく、安定した接続 | 無料プランは40分の時間制限あり | 公式サイトはこちら |
Google Meet | Googleアカウントで簡単に利用可能 | 小規模講義や手軽な講座向け | Googleサービスとの連携、 無料で時間制限なし |
機能が少ない | 公式サイトはこちら |
Microsoft Teams | Office 365と連携可能で ビジネス向け |
ビジネス講座やチームでの コラボレーションに最適 |
ビジネス機能が豊富で Officeツールと連携 |
UIが複雑で慣れるまで 時間がかかる |
公式サイトはこちら |
Web会議システムについては、各ツールで無料・有料プランの内容が異なるため、詳細は以下の記事をご参考ください。
オンラインスクールのおすすめプラットフォーム(動画配信システム)
動画配信システムは、簡単に独自の動画配信サイトを作成でき、高いカスタマイズ性を持ち、ライブ配信とオンデマンド配信の両方に対応できる柔軟な仕組みが特徴です。
以下に、おすすめの動画配信システムをまとめました。
動画配信 システム |
特徴 | おすすめの用途 | メリット | デメリット | URL |
---|---|---|---|---|---|
OneStream | ライブ・オンデマンド配信対応、 事前配信機能、ノーコードで 簡単に動画サイトを 作成可能、サブスクリプションと 販売機能付き |
多様な受講者を ターゲットにしたい、 独自の動画サイトを構築して ブランディングを強化したい場合 |
ライブ配信とオンデマンドに 対応、操作が簡単、 独自サイト構築が手軽 |
動画容量やライブ配信の制限が プランによって異なる、 有料プランのみ、集客が自力 |
公式サイトはこちら |
UIshare | 高品質な動画をセキュアに 配信可能 |
安全で高品質なオンライン講座を 提供したい場合 |
受講者管理やブランディングに 優れ、セキュリティが高い |
コストが高め、集客も自力で 行う必要がある |
公式サイトはこちら |
動画配信システムは、目的や機能に応じて料金プランや仕様が異なりますので、より詳しい情報は以下の記事をご参考ください。
自社サイトやアプリ内にオンライン講座を作るには
「動画配信システムを簡単に開発したいが、WebRTC技術を活用した自社開発するのは、ノウハウや社内リソースはなく、フルスクラッチのコストもかけられない……」という方におすすめなのが、NTTコミュニケーションズが開発、運営する「SkyWay」です。
「SkyWay」とは、ビデオ・音声通話をアプリケーションに簡単に実装できる国産SDKです。
大きな特徴としては、以下が挙げられます。
- スピーディーな開発ができる:
開発資料が豊富かつ日本語でわかりやすい、国内エンジニアがサポートしてくれる - 信頼性・安全性が高い:
NTTコミュニケーションズが開発、運営する国産SDK。サービス歴は10年以上で、累計導入サービス数も21,000件以上 - 無料で開発スタート:
開発検証用として、Freeプランあり。テスト検証期間中は無料で利用可能。商用サービス提供後も基本利用料11万 + 従量課金制で安心。
WebRTCのSDKとして提供されているものは、海外製が多いため、開発ドキュメントも英語か和訳のもので開発しにくい傾向にあります。 「SkyWay」であれば、NTTグループが開発、運営する安心の国産SDKかつ、国内エンジニアがサポートしてくれるため、開発運用工数も大幅に削減でき、開発のしやすさからもおすすめです。
テスト検証用は無料のため、ぜひアカウント登録をしてみください。
オンラインスクールの3つのメリット
オンラインスクールには、次の3つのメリットがあります。
-
場所や時間に縛られない
受講生は世界中どこからでも、好きな時間に学べます。これにより、従来の対面式教育の制約がなくなり、より多くの人にリーチできます。
-
運営コストの削減
物理的な教室や施設が不要なため、家賃や設備費などのコストを大幅に削減できます。
-
受講生の無制限参加
オンラインであるため、受講者の人数制限がなく、無限に拡大可能です。これは規模の利益を得やすいビジネスモデルです。
これらのメリットを活用すれば、効率的かつ広範な教育の提供が実現します。
まとめ
オンラインスクールは、インターネットを活用して、どこにいても受講できる教育形式です。オンラインスクールを成功させるためには、テーマやターゲットの設定、配信形式やプラットフォームの選定、カリキュラム設計、サポート体制の整備など計画的なステップが不可欠です。また、使用する配信プラットフォームは、自社の会員サイトを持っているか、持っていないか、オンラインスクールの目的や運営規模に応じて選定する必要があります。自社の会員サイトに動画配信機能を組み込みたい場合は、SkyWayがおすすめです。これらを参考に、目的やゴールに合わせたオンラインスクールの作成を検討してみてください。